なのメイド、なの! Episode6〜時々わからない、なの〜

ヴィータちゃーん。ヴィータちゃんってば」
…絶対振り向いてやるもんか。心の中でそうつぶやく。風呂の中で何をされたかなんて思い返すだけで顔が紅潮する。あー、こんなことなら軽々しくメイドになれって言うんじゃなかったと心の底から激しく後悔する。もう二度とこいつと賭け事なんかしねぇ。
「もう、そんなに拗ねないでよー。」
体が揺さぶられるけどそんなことを気に留めていたら負けだ。なのはは一度決めたら貫き通す強さを持ってるから、この後もきっとあたしのご機嫌取りをするに違いない。誰がそんな懐柔策に乗ってやるもんか。
「そんなに恥ずかしいことじゃないよー。はやてちゃんとはよく入ってたんでしょ?わたしだってフェイトちゃんとよく入ってたし。」
「お前と一緒にするなー!」
…しまった。
「え?え?だって別に変なことじゃないでしょ?」
何がうれしいのか知らねぇが、やけに嬉しそうなのが腹立つな。
「だーかーら、はやてとあたしの関係をなのはとテスタロッサと一緒にするな!」
「むー、何それー。別にわたしとフェイトちゃんはそんな変な関係じゃないもん。」
むすっ、と今度は明らかに拗ねた顔をする。こういうところがまだまだ子供っぽいよな。…後テスタロッサ、お前の明らかな態度になのはがまったく気づかないっていうのだけは同情してやる。こいつ、鋭いのか鈍いのかよくわかんねぇよな、ほんと。
「っていうか何で拗ねてるんだよ、お前。」
「別に。」
あれ?さっきと立場が逆になってねぇかこれ?そもそもなのはが風呂に入ってあれこれしてきたんだからなのはが悪いんじゃねぇのかこれ?
「ええっと、もしもしなのは?」
「つーん。」
何故そこで擬音が口をついて出てくるんだ?
なのはさん?」
「つーん。」
…どうすりゃいいんだよ、これ。
あたしは途方にくれた。