なのメイド、なの! Episode4〜ちょっぴり複雑なご主人様、なの〜

「思い出した?」
「ああ…色々と。」
そりゃもう、こいつが約束っていうものにすごく律儀なやつだってこととか、有限実行するやつだってこととかと一緒に。
にこにこしながらこっちを見つめてくるのはやっぱり反則だ。くそ、この後のことについて考えるとなんか負けた気分だ…つかメイドって確かご主人様に慎ましやかに仕えるんじゃないのか?あたしとなのはじゃどっちもどっちなような気がする。さっきからなのはにやりこめられてばっかだし。
「えーっと、ヴィータちゃん、どうする?」
「どうするって言われてもな…とりあえず腹減ったから飯食いてーです。」
「はーい。あ、脱いだ制服はその辺に置いておいて。後で私がかけとくから〜。」
「んなもん自分でできるからいーです。」
間延びした声で台所へ消えていくなのは。…やっぱり慣れないなぁ。なんつーか、そもそもあたしって仕える側だったし。
寝室に制服をかけて、いつものようにラフな―なのはに言わせると、だけどな―服装で食卓に向かう。食卓には一人分しかない。ん?
「…なのはは飯食わねーのか?」
「ふぇっ?だってメイドさんだから当然だよ。」
何がメイドさんだから当然、なんだろうか。食事はみんなで一緒に食うから楽しいっつーのはなのはもわかってるはずだ。
「せっかくなのはもいるんだから一緒に食えばいいじゃねーか。」
「えー、なんかいった〜?」
「なんもねーです。」
あぶねぇ。独り言もほどほどにしとかねーと、なのはに何されるかわかんねーからな。まぁ、こいつ一度言い出したらきかねぇから…いいか。
そう思って席につこうとした時に、不意に後ろから抱きつかれた。
「お、おい、なにするんだよなにょは!」
「舌回ってないよヴィータちゃん…」
そりゃいきなり後ろから抱きつかれたらびっくりするに決まってんだろーが!
なんて文句を言う前に、あたしの体はひょいと抱き上げられて、なのはの柔らかい太ももの上にちょこんと座る形になっていた。
メイドさんだからご主人様にご奉仕しなきゃね。はい、ヴィータちゃんあーん」