なのメイド、なの! Episode7〜先人の知恵、なの?〜

こんな時にふと思い出したのははやてから教わったこと。はやてやなのは、テスタロッサみたいに学校に通ってないあたしたちに、この世界で言う常識を教えてくれたのははやてだった。特にあたしたちに欠けていたほかの人とのコミュニケーションのとり方については、その、あたしがうまく伝えることが出来ないのもあってか、丁寧に教えてくれたような気がする。
で、はやてはこういうときはどうしろっていったかな…確か…
ヴィータ、人に謝るときは何が悪いのかをきっちりとわかってから謝らないかんよ。』
そうだ、そう言ったんだ。
だけど、肝心なとこがあたしにはわかってない。そう、どうしてなのはが怒ってるのかっていうこと。
相変わらずなのははあたしの方を見ようともしないし、こんな気まずい空気の中であたしもなのはの方を見る勇気もない。
結局何が悪いんだろう。あたし何かなのはの気に障るようなこといったのか?頭の中でぐるぐるぐるぐる一連のなのはとの会話をリピートさせてみるけど、さっぱり答えが見えてこない。もう夜だし、このまま寝ちまうっていうことも出来るけれど、それはただの問題の先延ばしに過ぎない。
とりあえず、あたしがなのはを怒らせるようなことを言ったのは事実だから、それだけ謝って寝よう。そう決めてあたしは恐る恐るなのはの方を向いた。
「あ、あのよなのは…その…なのはが怒ってる理由がわかんねぇんだけど、えっと…怒らせるようなこといってごめん。」
あたしはそう言って頭を下げた。
「え、あ…。あ、あのね、ヴィータちゃん!ヴィータちゃんが悪いんじゃないの!その…あの…と、とにかくヴィータちゃんが悪いんじゃないから。私こそごめんね。」
頭を上げると、さっきとは打って変わってうなだれるなのはが見えた。
わからないことだらけの一日に、またわからないことが追加された。ただ一つわかったのは、なのはがしょげてると、すげぇいやな気分になるって言うことだけだった。
「あ、あたしがわりーんだからお前がそんなにへこむことねーだろ!」
あたしとしては真っ当な意見を述べたつもりだったんだけど、なのはは真っ向から反論してきあがった。
「だ、だって私が悪いんだから当然だよ!それにヴィータちゃんだって悪くないんだから謝る必要性なんてなかったんだよ!」
「ば…なのはがあんな態度とったら誰だってあたしがわりーと思うだろうが!」
ヴィータちゃんだってあんな態度とったら私が悪いって思うよ!」
こんな不毛な議論を繰り返してたら当然のごとくに時間が過ぎていって、結局ベッドに入ったのは夜中の3時過ぎだった。くそっ、明日大丈夫かな…。