resign myself to the "virtual reality"(7)

それから、祐理にも会えずじまいだった。彼女も忙しいのはわかっているけど、会って話をしたかった。ケイタイの伝わらない想いでは、真意を汲み取ってもらうのはたやすく行かないと思う。
「そういえば、もう明日だっけ…。」
今日も勉強を終えて、彼とメールをしていて気づいた。というか、気づかされた。やっぱり、話題はそちらの方向に進んでしまう。
充電器からケイタイをはずして、それを手に持ったまま私はベッドに倒れる。
着信音を、サイドボタンで止めて、しばらくベッドから見える闇を見つめていた。
嬉しいはずなのに、素直に喜べない。
「…メール、返さなきゃ。」
仰向けに転がって、ケイタイを開く。バックライトが光るケイタイのディスプレイに、無機物化したコトバを打ち込んでいく。ひどく、滑稽だ。
想いが伝わるはず、ないのに。
そこにある程度の感情を見ることは出来ても、顔からにじみ出る表情までを理解することは出来ない。そんなこと、二次元を知っていれば、誰でもわかる話。
そう、そんなことを知りながら、それを知ってもらいたがってる。なんて、無様。
なぜか溢れる涙を、片手でぬぐう。
「…もう少し、待ってくれてもいいのに…」
部屋に響く独白は、私の本音。
彼に言いたい、彼にいえない、私の本音。