Starlight Rain

「むう、そんなこともないぞ。」
と、あさっての方向から今日の方向を向いて往人は観鈴に話しかける。理由は単純、なんてったって楽しみにしている、観鈴特製弁当が開く瞬間だからだ。
ひらかれた弁当には、サンドウィッチが見える。
「おっ、どれどれ…」
その一つを手にとって口に入れる。
「…またメンマとチャーシュー、ノリか?」
「にははー。往人さん大正解。ぶい。」
ぶいサインを出して目いっぱいの笑みを浮かべる。そんな観鈴に、ちょっとした胸の高鳴りを覚えて。
「ま、まぁ相変わらず上手いからいいか。」
なんてちょっと、ごまかしたりする。
そんな観鈴も手にとって食べ始めた。
「うん。われながらうまく出来たのでした。」
なんて頷きながら食べる姿にもちょっとした胸の高鳴りを覚える。ただいま、恋真っ盛り。さすが夏。すべてが、暑い。
「ところで観鈴、飲み物は?」
さて、観鈴が作ったサンドイッチを平らげる個数も五個といったところ、そんなときに往人は尋ねた。
「あ、うん。持ってきてるよ。」
「さすがだな。」
「うん…はい、往人さん。」
そのパックが見えた瞬間、往人の拳は観鈴の頭を正確に捉えていた。
がつん
「い、痛い。何もしてないのにどうしてたたくかな?」
「とりあえず、その飲み物のせいだということにいい加減気づけ。」
そのパックに書かれていたのは、やっぱり、いや、予想されたとおり、『どろり濃厚ジュース』であったことは、言うまでもない。