resign myself to the "Virtual Reality"(1)

「おはよう、由紀。」
「あ、おはよう。」
友達に挨拶を返す教室。三年四組、私のクラスについて、自分の席に腰掛けていると、友達が結構寄ってくる。時には笑って、時には悲しんで、そんな喜怒哀楽をともにしてきた仲間達。
「でもやっぱり彼氏がいるっていいよねー。」
「そうそう。受験の荒んだ心には必要だよ。」
「そうかなぁ。邪魔なだけじゃない?メールとか来たら気がそがれるし。」
「由紀はどう思う?」
「うーん……どっちでもいいんじゃないかな?」
「うわー、勉強できる人は違うねー」
「そ、そんなんでいったんじゃないよ!」
だって楽しいもん。彼とメールしてると。
「あれ?バイブの音…。誰かメール着てるんじゃない?」
「由紀だよ。」
つい熱くなって気づかなかった。首から提げたケイタイが震えていた。いまや完全にケイタイに付いてると言っていい、サブディスプレイがメールの発信者を語る。

 

ゆーま

 

少し、心臓の鼓動が早くなった。